お知らせ
こどものコップ

こどもが片手で持てるコップ。

コド・モノ・コトの2006年の展覧会「くーぐー展」に出展するのがきっかけで制作しました。その頃「こどものために」とつくられているモノがどうもオトナの押しつけに感じられていました。息子はそのころ2歳を迎えたばかりで「こどものために」と作られた割れにくいコップやプラスティックのフォーク等は全然使いたがりませんでした。私の使っているカンナで仕上げたつるつるの木の箸や、金属の大きなフォーク、薄手の磁器のお茶碗等を使いたがります。どうにか使えるけど手に余ってアブなっかしい。コップも同じで、大きなものが使いたいというより私が使っているものが使いたいみたいです。
コドモはコドモ用に作られたモノなどちっとも使いたくなく、コドモは親と同じモノのが使いたいのです。
そしてコドモでも手加減なく作られた本当に気持ちよいモノを使いたいのです。

コドモもオトナもどちらも本気でうれしいコップを作ろうと思いました。
色んなお母さんにお話しを聞いたところコドモが小さな頃はぐい飲みをコップ代わりに使わせていたというのもヒントになって、オトナはぐい飲みとして、コドモは片手でも十分扱えるコップを作りました。ガラス作家の高梨良子さんにお願いして作っていただいたほんの少しだけ握りを窪ませた小さなコップです。
オトナもコドモもカンパイが大好き。「おっとと」と注ぎ合うのも大好き。「息子と酒を酌み交わす」というお父さんの夢をいち早く叶えるコップ。二人で何度も「カンパイ!」をしてグビゴク一緒に飲みました。
風邪のときに飲ませるちょっと苦いシロップ薬もこのコップだとクイっと飲み干していました。

今、息子は5歳。この小さなコップはもっぱら私が冷酒を飲むのに使っています。息子は普通のコップも持てるようになってきました。
そのうち息子にコドモが出来たとき、自分の使ったコップで自分のコドモとカンパイするときが来たとき、沢山一緒にカンパイしたことを思い出してくれたらいいなー。

サイズ φ55×h55mm
素材 ガラス
メーカー セルフプロダクト
製作 高梨良子(ガラス作家)
協力 富山ガラス工房
制作年 2006.05
販売 コド・モノ・コト