手触りが、伝えてくれること。
人は、五感をもってこの世界を感じ取って生きています。では五感のうち1つでもその感覚がない人は、物事を感じ取る能力が劣っているのでしょうか?
世界は、複合的で重層的な感覚をもって構築されています。例えば、人が「朝」を感じるとき、視覚障害者は、朝日の”明るさ”を感じることは出来ませんが、太陽の”暖かさ”を感じ、小鳥の”さえずり”を聞き、「朝」を感じ、知り、想像します。健常者が普段感じることを忘れている世界を、視覚障害者は、リアルで当然の世界だと感じています。
モノゴトを感じ、知り、想像した、「喜びの質」は、視覚障害者も健常者も、比べることが出来ない、等価の豊かさを持っています。
この「テクスチャーインデックス & シール」はテクスチャーのある素材を用いることで、視覚障害者が、今まで区別することの出来なかった書類や手紙や書籍、点字文の重要な箇所などを、”手触り”によって区別が出来る製品です。
また健常者も、インデックスに触覚情報が加わることは手の感覚での直感的な動作を助けてくれます。そもそも、テクスチャーと視覚情報は切り離すことが出来ない存在です。
このテクスチャーがもたらす手触りや奥行きのある視覚情報は、様々な人に、豊かな感覚・利便性・満足感をもたらすでしょう。
コクヨデザインアワード2003 優秀賞受賞
素材 コルク、木、ゴム、和紙
プロトタイプ Prototype